はじめに
蟹のフルコースを急いで立ち食いせざるを得なかった、あの日からちょうど1年。
当時は「味わって食べられないなら、当面カニ旅行はやめておこう」と心に決めていましたが、どうしても諦めきれず……。
「お部屋食なら、もしかして…?」と一縷の望みをかけて選んだのが、石川県加賀市の山中温泉にあるお宿『花紫』です。
結果として、2歳双子連れでも、リベンジ大成功! 去年とは打って変わって、心ゆくまで蟹を堪能することができました。
今回は、双子連れでも「わがまま」を叶えられた理由を、リアルな体験談とともに徹底レポートします。
【お部屋食の全貌】2歳双子がいても「ゆっくり蟹」が叶った理由
「2歳児との食事=戦場」という常識を覆すために、今回はいくつかの戦略を立てて挑みました。
【戦略1】夕食まで「動画」を温存!外遊びで体力を削る
まず徹底したのが、お部屋内での時間を夕食まで極力減らすことです。
特に「動画コンテンツ(YouTube)」は夕食時の切り札にするため、それまでは一切見せずに温存しました。
幸い『花紫』の周辺には、山中温泉の名所「ゆげ街道」や「菊の湯」があります。夕食ギリギリまでお散歩を楽しんで外の空気を吸わせ、双子たちの「お部屋で遊びたい欲」と「動画見たい欲」を夕食時にピークに持っていけるよう調整しました。


【戦略2】夕食時は「YouTube」をフル活用して大人の時間を確保
夕食が始まったら、いよいよ切り札の投入です。
この日ばかりは「放任」を合言葉に、テレビで大好きなYouTubeを流し続けました。
これが予想通り大成功!
彼らが自分の食事を終えたあとも、大半の時間を動画に集中してくれたおかげで、親は加賀の地酒を飲み比べながら、のんびりと加能ガニ、香箱ガニを味わい尽くすことができました。

【戦略3】「使い捨て前掛け」を複数持参して掃除の手間をカット
2歳児といえば、何でも自分でやりたいお年頃。
「自分で食べたい、でもこぼす」のは目に見えていたので、使い捨ての前掛けを複数枚持参し、全力でこぼしても被害を最小限に抑えられるようにしました。
思惑通り、前掛けのポケットが食べこぼしをしっかりキャッチ!
お部屋を汚す心配が減り、こぼした後のリカバリーも最小限で済んだのは、精神的にもかなり大きかったです。

後半戦の注意点!2.5時間のロングコースをどう乗り切るか?
今回は、加能ガニ、香箱ガニをゆっくり味わったため、食事時間は合計で約2.5時間のロングコースとなりました。
正直なところ、1.5時間を経過した頃には、さすがにYouTubeの魔法が解けてきます(笑)。飽きてきた双子たちが部屋の中を暴れ始める「第2ラウンド」のスタートです。
仲居さんがお料理を運んでくださるタイミングは、単純にご迷惑をかける可能性が高い一番危険なシチュエーション。この時ばかりは親も真剣に子供たちを静止し、仲居さんの安全を確保する必要がありました。
【食事レポ】これぞ至福。加能ガニと香箱ガニのフルコースを味わい尽くす
運ばれてくるお料理を眺めていると、子どもがまだいなかった頃の「大人の贅沢なカニ旅行」をふと思い出し、胸が熱くなりました。双子連れでこのクオリティをゆっくり味わえる日が来るなんて……。
今回いただいた、感動のメニューたちを紹介します。
🦀 唸るほど美味しい、カニ料理の数々
- 茹で加能ガニ 「カニは剥くのが大変」という常識を覆す、細部まで行き届いた心遣い。とにかく食べやすく、身の甘みをダイレクトに感じられて感動しました。

- 香箱ガニ(オプション) 冬の北陸に来たなら外せません。内子と外子がとにかく濃厚!「これこれ、この味!」と、思わず目をつむってしまう美味しさです。

- カニのお椀・お寿司 お出汁が五臓六腑に染み渡るお椀に、海苔の香りがアクセントになったお寿司。一品一品が主役級の存在感です。


- カニ刺し&しゃぶしゃぶ パッと花が開いたような美しいカニ刺し。かつおだしでいただくも良し、カニ味噌の甲羅焼きに潜らせていただくも良し。この上ない贅沢です。


- カニのグラタン 嬉しい裏切りだったのがこちら。甲羅グラタンかと思いきや、なんと「ゆず」に包まれて登場!爽やかな香りとカニの相性が抜群でした。

- 焼きガニ そのままでも十分美味しいのですが、あえてしゃぶしゃぶ用のカニ味噌に混ぜて食べるのが私のイチオシ!普段飲めない日本酒が進みました。

- カニの釜焚きご飯 〆は雑炊ではなく、ふっくら炊き上げた釜焚きご飯。本当はおかわりしたいくらいでしたが、お腹も心もパンパンで、幸せなギブアップでした。

【実はカニだけではなかった】カニ以外でも「また来たい」と思わせる名脇役たち
今回の主役はもちろんカニでしたが、コースの随所に散りばめられたお料理たちが、どれも主役級の美味しさだったことも驚きでした。「カニシーズン以外でも絶対に美味しいんだろうな」と確信させてくれる内容です。
- 先出し: 里芋がメインの先出しだったのですが、一口食べた瞬間に「あ、これからのメニューも絶対に美味しい」と期待が確信に変わりました。丁寧な仕事ぶりが伝わる、最高のスタートです。
- 寒さわら&クエのお刺身 これが正直、**「カニより美味しいのでは……?」**と一瞬迷ってしまうほどの衝撃でした。脂ののった寒さわらと、弾力のあるクエ。このお刺身を食べるためだけでも、またここに来たいと思わせてくれます。
- 絶妙なタイミングの「お口直し」 〆のご飯の前に出されたお口直し。中身が何だったのかはっきり分からなかったのですが(笑)、とにかく美味しくて、贅沢なコースの最後を完璧に整えてくれました。




【子供の食事】まさかの離乳食から注文OK!別オーダーのうどんと焼き魚に双子も夢中
子連れ旅行で一番の懸念点は「子供が食べられるものがあるか」ですよね。 『花紫』さんはその点も完璧で、なんと0歳の離乳食期から対応可能な別注料理が用意されていました。
年齢に合わせて選べる充実の別注メニュー
我が家が注文したのは「おうどん」と「焼き魚」でしたが、他にも以下のようなお料理がラインナップされていました。
- 【離乳食(0歳〜)】 おかゆ、茹で野菜、白身の煮魚
- 【1歳〜】 おうどん、茶碗蒸し、焼き魚、野菜の焚き合わせ、ご飯・お味噌汁
2歳双子も「夢中」で完食したクオリティ
特に驚いたのが焼き魚です(この日はおそらくサワラでした)。 しっかりと骨が抜いてあり、身はふっくら。「これ、大人が食べても絶対美味しいやつ!」と確信できるクオリティでした。
また、翌日の朝食時にお願いしたお味噌汁も感動モノ。 ただ塩辛いだけのものではなく、お出汁がしっかり効いた優しい味わい。2歳双子たちも、美味しそうにおうどんや魚を(盛大にこぼしながらも笑)夢中で食べていました。
「子供には美味しいものを、安全に食べさせてあげたい」という親心を、しっかり満たしてくれるお宿です。
【超重要】全25室の、基本は大人向けプライベート宿
ここまで子連れへの配慮をお伝えしてきましたが、忘れてはならないのが、ここは全25室の静寂を楽しむ「大人向け」の宿であるということです。
だからこそ、子連れで宿泊する際はあらかじめ知っておくべきことをお伝えします。
10歳未満は「2室限定」!? 争奪戦必至の予約枠
実は、10歳未満の子供連れで利用できる客室は、全25室のうち1タイプのみに限られています。さらに、プランもお部屋食限定となっており、実質的には1日2室程度しか枠がないと思われます。
「花紫に子連れで、しかも蟹のシーズンに泊まりたい!」と思ったら、空室を見つけた瞬間に即押さえるのが鉄則です。迷っているうちに埋まってしまう可能性が非常に高いです。
施設使用料はかかるけれど、期待以上の「お心遣い」
食事なし・寝具なしの添い寝であっても、お子様お一人3,300円の施設使用料がかかります。
「ちょっと高いかな?」と思うかもしれませんが、実際に泊まってみるとその価値を十分に感じることができました。
• お子様用のベビー布団の用意
• 可愛らしい子供用浴衣の貸出
こうした細やかなお心遣いを随所に感じ、むしろ「この金額でこれだけのサービスをしていただけるなら、全く高くない!」と思える満足度でした。

「静寂な高級大人宿」だからこそ、客室外でのマナーは親の使命
『花紫』の館内はどこも高級感にあふれ、凛とした静寂に包まれています。正直に申し上げて、2歳双子にとっては「不相応」と言ってもいいほど、落ち着いた大人の空間です。
もちろん、2歳児にそれを理解して静かにしてもらうのは、不可能。我が家の双子も、そんなことはお構いなしに大騒ぎしてしまいました。
ですが、お部屋を一歩出ればそこは共用スペースです。
• パブリック空間ではなるべく発狂させず、静かに過ごさせる
• 廊下やロビーを走り回らないように制御する
「止めるのは難しい」のが本音ではありますが、花紫の雰囲気を壊さない、他のお客様の時間を尊重するために、親として最低限の努力と配慮は欠かせません。この「親としての最低限の努力」は絶対にするようにしましょう。


まとめ:双子親のわがままを叶えてくれた『花紫』さんに感謝
以上で、『2歳双子連れでも蟹フルコースを諦めない!山中温泉『花紫』のお部屋食が最高すぎた【子連れ目線レポ】』でした。
最後に、これから宿泊を検討される方へお伝えしたいことは3つです。
- 予約はスピード勝負: 10歳未満が泊まれるお部屋は非常に限られています。カニシーズンなら、空室を見つけた瞬間に即予約を!
- 事前の準備が成功の鍵: YouTubeの温存、使い捨て前掛けの持参、そして外遊びでの体力削り。そして何よりもお部屋食。この「戦略」が、大人の優雅な2.5時間を生み出します。
- マナーを守って、特別な体験を: 高級大人宿としての静寂を守る「親としての最低限の努力」は絶対に必要です。その配慮があってこそ、こうした素晴らしいお宿で子連れでも最高の体験をさせてもらえるものと思います。
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初めての子連れカニ旅行挑戦記録
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